イントロダクション
「何かあったらちゃんと言ってほしい」
そう言ってるのに社員からは一向に本音が上がってこない。
空気を読んで、黙って、流される。問題があっても、誰も声をあげない。
組織が“静かすぎる”のは健全な状態ではありません。
本当に強い組織とは、「弱音が許される組織」です。
よく使われる「心理的安全性」という概念は、
「モノが言えない」「行動できない」理由のベースとなるものです。
一般的に使われる「心理的安全性」は
主にメンバーの視点から語られます。
一方で経営者の立場から「心理的安全性」を考えてみましょう。
モノが言えない組織の末路はどうなるでしょう?
繁栄に向かわないことだけはわかるでしょう。
エグゼクティブにとっての心理的安全性とは何か?
その本質的意味を多方面から捉え直す必要があります。
今日は組織の成果を最大化する「安心できる空気のつくり方」と、
リーダーの内省と変化にフォーカスした実践的アプローチをご紹介します。
1. 【なぜ正論が響かないのか】現場で起きている見えない抵抗
「こうすべきだ」「これが正しい」。
それ自体は間違っていない。
でも、メンバーが動かない。
その理由は
「メンバーの萎縮」や「自己防衛」です。
- 「間違えたらどうしよう」
- 「うまくいかなかったらどう言われるかわからない」
- 「意見しても無駄だ」
- 「どうせ変わらない」
こうした無意識の思考が
組織全体の行動力を鈍らせています。
人は「正しいこと」では動きません。
安心して「自分の意志で動ける」と
感じたときに初めて動きます。
2. 【心理的安全性とは】成果を生む「安心できる組織」
「心理的安全性(Psychological Safety)」とは、
Googleの“プロジェクト・アリストテレス”で
最も重要なチーム成功要因として挙げられた概念です。
その定義はシンプルです。
「このチームでは自分らしくいられていい」
「間違いや弱音を見せても責められない」
「挑戦しても大丈夫だと思える」
この空気があることで、チームは以下のように変化します。
- 率直な意見が出る
- 創造性が高まる
- 自走力が育つ
- 上司と部下の“真の信頼”が生まれる
心理的安全性とは
単に「優しい組織をつくる」ことではありません。
成果と挑戦を支える見えない土台なのです。
3. 【自発性を育てるリーダーシップ】信頼と挑戦のバランス
エグゼクティブがすべきは
ただ優しくすることではありません。
「信頼」と「挑戦」のバランスが重要。
たとえば:
- 自分の答えを言う前に「あなたはどう思う?」と問いかける
- 小さなチャレンジを見逃さず、心から承認する
- 任せたら途中で口を出しすぎず見守る
- 自分の弱さや迷いを時に開示する
部下の自発性は
「あなたを信じている」というメッセージから始まります。
そのメッセージが積み重なることで
メンバーたちは安心して力を発揮するようになります。
私のクラインとでも、
どうしてもその場をコントロールしたくなるエグゼクティブは
意外と多いものです。
社長や取締役などトップレベルになると
自分がほかの人より知っていないといけないとか、
うまくコントロールして見せないといけない、
と肩に力が入っている方も多いです。
これは無意識レベルで力が入り、
威圧的になっているので、
自分ではわからないのです。
ただ、社員の方にインタビューしてみると
「正直、社長に意見を言いづらいです」
「自由に意見を言える雰囲気ではないです」
という声がちらほら聞こえてきます。
これは危険信号。
社員のモチベーションが下がるばかりか
帰属意識や忠誠心も下がり、
何かあったら簡単に退職する予備軍を作るだけです。
指示を聞くはずがありませんね。
このような状態は企業の大小を問わず
めずらしくありません。
ただ、この危険信号に今リーダーであるあなたが気付けば
まだ望みはあります。
なぜなら企業は「経営者が9割」。
あなたが変われば組織は変わります。
だからこそ、
弱みを見せられる組織の強さをあなたのものにしましょう。
(そのためにはあなた自身が
人に対して弱みを見せられるようになる必要があることは言うまでもありません。
エグゼクティブコーチングでは弱みを見せる練習も含まれていることは
意外と知られていませんので、言及いたしました。)
まとめ
強い組織とは「完璧な組織」ではありません。
「安心して動ける」空気を持った組織こそ最大の成果を出します。
心理的安全性とはただの流行語ではなく、
エグゼクティブが担う「空気のマネジメント」の本質です。
あなたの一言、あなたの姿勢が組織全体の空気をつくります。
変化はあなた自身から始まります。
リーダーの在り方が組織の在り方になります。
ミニアクションプラン
今日からできる、小さなアクション:
✅ 会議で「正解」を言う前に、部下に問いかけてみる
✅ ミスや未達成の報告に「ありがとう」と言ってみる
✅ 自分の最近の迷いや学びをチームとシェアしてみる
こうした小さな一歩が、組織の空気を静かに確実に変えていきます。
次のステップ
もしあなたが、
- チームの自発性を引き出し
- 心理的安全性を経営の力に変え
- 組織全体をもう一段階進化させたいと考えているなら
今がその変化を始めるタイミングです。
当コーチングではあなたの内省と実践を通して、
「空気をマネジメントする」リーダーシップをサポートします。
一緒にゼロから育てていきましょう。
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(軽やかに、でも確実に変化を起こしたいあなたへ)
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