導入
「なぜ、あのプロジェクトを引っ張ると決めたのか?」
「なぜ、この案件を最初から避けてきたのか?」コーチングの中で、こうした問いかけをするたびに感じることがあります。
意外なほど多くのリーダーや経営者が、実は**“好き嫌い”で意思決定をしている**という事実です。
もちろん、人間ですから好き嫌いはあって当然です。
経営者の多くは、自分の価値観や美意識を明確に持っている方が多いため、判断に個性が滲むのは自然なこと。しかし──その感情に自覚なく引っ張られているとしたら?
そのまま判断を繰り返していたら、どんな未来が待っているのでしょうか。
1. 好き嫌いで決めてしまう無意識のパターン
経営判断とは、理性や戦略に基づくもの。
そう信じたいのが、私たちリーダーの本音でしょう。
でも実際には──
- 特定の業界がなんとなく好き
- あのタイプの人が苦手だから距離を置いている
- 理屈よりも「なんか違う気がする」から断った
こんなふうに
感情や直感で判断している場面は思いのほか多いものです。
感情が働くのは悪いことではありません。
ただ、それを自覚しないまま判断に使っていることが問題です。
2. 【実例】「好き嫌い」が判断のブレーキになるとき
ある経営者のクライアントが、コーチングの中でこんな夢を語ってくれました。
「ずっとやりたかった新しい分野に挑戦したい。ようやく事業基盤も整ってきたし、今がそのチャンスだと思う。」
彼は明確な意志を持ち、最初のステップとして新分野への営業活動を開始しました。
しかし、実際に動き出すと、ある壁にぶつかります。
「どうしても、好きな業種の企業にしか営業をかけたくないんです。
苦手な業界や“肌が合わない”と感じる会社には、無意識に手が伸びない。」
気づかぬうちに「好き嫌い」がアクションを狭め、
選択肢や可能性を自ら減らしていたのです。
このままでは、夢を叶えるどころか、スタート地点で足踏みしてしまう。
そこで私たちは、彼自身の「好き嫌い」の背景を丁寧にひも解いていくことにしました。
3. 感情を切り離すのではなく、“見える化”することが鍵
このようなケースで重要なのは、感情を否定したり排除することではありません。
必要なのは、自分の価値観・好き嫌い・信念を“言語化して見える化”することです。
- 自分はなぜ、あの業界に苦手意識があるのか?
- どんな感情が働いているのか?
- それは過去の経験?それともただの思い込みか?
こうして整理することで、「感情に動かされる人」から「感情を活かせる人」へと変わっていきます。
先ほどのクライアントも、対話を通じて自分の偏りに気づき、
新しい営業先をリストに加え、次の一歩を踏み出しました。
4. コーチングは“あなた自身”を知る最強のツールになる
コーチングとは、「考え方を整える」ことではなく、
「あなたはどういう人か?」という深い問いに答える場です。
- 何に惹かれ、何を避けたがるのか
- その選択に、どんな信念や恐れが隠れているのか
- なぜ、同じような判断パターンを繰り返しているのか
これらを内省的に掘り下げることで、
リーダーは自分の“判断の癖”から自由になることができるのです。
その結果、必要なタイミングで、必要な判断を、
感情に振り回されずに選び取る力が育っていきます。
まとめ
あなたの中にある「好き」「嫌い」。
それは、あなた自身を形づくっている大切な要素です。
でも、その感情に無自覚なまま判断し続けると、
- チャンスを逃す
- 本質を見誤る
- 意志あるリーダーシップを貫けなくなる
そんなリスクさえ孕んでいます。
だからこそ、今こそ「自分を知る」ことが必要です。
コーチングを通じて、あなたがどんな価値観を持ち、何を恐れ、何を本当に大切にしているのかを見つめることができれば、
“好き嫌い”を超えて、あなたはもっと広く、もっと自由に決断できるリーダーになります。
ミニアクションプラン
✅ 最近避けてきた案件・人・テーマをリストアップしてみる
✅ それを「嫌い」「苦手」と感じる理由を言葉にしてみる
✅ 「もしその嫌いを超えたら、何が得られるだろう?」と自問してみる
あなたの「嫌い」の中に、もしかしたら大きな可能性が眠っているかもしれません。
次のステップ
好き嫌いで選ぶ判断から、
本質を捉えて進む判断へ。
もしあなたが今、
- 判断に迷いや偏りを感じている
- いつも似たようなパターンにハマってしまう
- 本当に大切なチャンスを逃したくないと思っている
そんなときは、自分を深く知る時間が必要です。
丁寧な対話を通して、
あなたの無意識の選択基準を見える化し、
感情と信念を整理する旅に、私は伴走します。
コーチングは、判断を磨き、あなた自身のステージを上げるための確かな手段です。
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