最近、複数のクライアントと話していて、共通して起きている変化があります。
何かうまくいかないことが起きたとき、「誰のせいなんだろう」「何が悪かったんだろう」と、外側に原因を探しにいく。多くの人が、最初はそこから始まります。
でも、コーチングを重ねていくうちに、少しずつ問いの向きが変わっていきます。「私は、この状況をどう見ているんだろう」「自分は何を理解できていないんだろう」と、自分自身に問いを向けられるようになっていくのです。
「誰のせいか」から「自分はどう見ているか」への転換
この転換は、思っている以上に大きなものだと感じています。
自分に問いを向けられるようになると、人に頼れるようになります。感情と少し距離を取って、状況をそのまま見られるようになります。「自分は本当は何をしたいのか」と、日々の仕事とのつながりも、少しずつ見えてくる。
これは、自分の仕事を持って生きていくうえで、ひとつの大切な土台になります。
土台ができると、次のテーマが現れる
けれど、そこで終わりではありません。土台ができたところに、また別のテーマが現れてきます。
人との距離をどう取るのか。自分より経験のある人や年上の人と、どう関係をつくるのか。自分の考えや弱さを、どこまで相手に見せるのか。
それまで「自分の内側を整えること」に向いていた意識が、少しずつ「自分から人とどう関わっていくか」へと移っていく。これも、何人ものクライアントを見ていて、繰り返し起きていることです。
違和感は、なくすものではない
この移行の途中で、よく出てくるものがあります。
「なんとなく気になる」「なぜかわからないけれど引っかかる」「このままでいいのかな」
言葉になる前の、小さな違和感です。
私は、この違和感を無理になくす必要はないと思っています。むしろ、そこには次に進むためのヒントが隠れていることが多いからです。
安心して話せる時間が、経験をつなぎ直す
安心して話せる時間の中で、その違和感をゆっくり言葉にしていく。すると、
「あのときの経験とつながっていたんだ」「本当は、ずっとこうしたかったんだ」「自分が大事にしたかったのは、これだったんだ」
と、これまでバラバラだった経験や学びが、あるとき突然ひとつにつながることがあります。
私はコーチングの中で、この瞬間に何度も立ち会ってきました。誰かから新しい答えを教えてもらったわけではありません。もともと自分の中にあったものが、対話によって見えるようになっただけです。
だから違和感は、必ずしも「うまくいっていない証拠」ではないのだと思います。今のやり方や、自分と人との関わり方を、そろそろ見直す時期に来ているというサインなのかもしれません。
忙しく仕事をしていると、違和感はつい後回しになります。
でも、ときどき立ち止まって、「私は今、何に引っかかっているんだろう」と自分に聞いてみる。そして、できれば安心して話せる誰かに、そのまま話してみる。
それだけで、今まで見えていなかったものが、見えてくることがあります。
あなたが今、なんとなく引っかかっていることは、何ですか。


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